Go for it! #23 PetitFour(プティフール)主宰・北野麻紀子さん

もう春ですねぇ。と。

玄関での挨拶もそこそこに。

にこやかに迎え入れられ

いそいそとキッチン前へ。

 

焼いておいた

軽い口当たりのスポンジに

ほどよい甘さの

生クリームを塗ったら

苺をたっぷりのせて。

 

たおやかで、

かろやかで

リズミカルな手さばきに、

しばし見とれる。


わくわく そわそわ

まるで、今日のおやつは?と

キッチンに寄りかかる

子どもの気分。

 

あっという間に仕上がった

苺のデコレーションケーキ。

 

あぁ、なんて可愛い。


目に飛び込んできたケーキに、

ふふ、しあわせと。

口に運んだ時の幸福感が

フライングしている。


麻紀子さん手製の苺のデコレーションケーキ。フルーツをたくさんのせて作るデコレーションケーキ作りはご本人も大好きなのだそう。ご厚意に甘えて、持ち帰りさせていただくことに。クリームの甘さ加減もちょうど良くて、我が家であっという間に完食。



 「パティシエールを8年。その後に始めた教室は、9年が経ってしまいました。教えることが私の性に合っていたんですね。」と、朗らかに話すのは、「Petit Four(プティフール)」主宰・北野麻紀子さん。

 

教室は、オリジナルのレッスンのほか、講師を目指す人向けの「JSA認定講師講座」も設け、楽しく作れるようになりたい初心者からプロを目指す方まで対応。

 

 麻紀子さんは、高校在学中にお菓子作りの楽しさと出会い、製菓学校へ進学。製菓学校を卒業後は京都のパティスリーへ入社。1年勤めたら万々歳と喩えられるハードな業界で研鑽を積み、8年勤めた職場を退職。


その後は、結婚出産と、ライフステージが変化していったが、他業種の仕事に就きながらもお菓子作りは日々の暮らしから切り離すことはなかった。

 

再開のきっかけは、ご近所さんが主催の自宅マルシェ。そこでお菓子を販売したのをきっかけに、出店も増え、オーダーも受けるようになった。

 

 「当時は、乳幼児の子どもを親に預かってもらい、レンタルキッチンを借りて受注生産に勤しむ日々でした。」と話す。

 

 元々、細かな細工をあしらう作業が好きな麻紀子さんは、「JSA日本サロネーゼ協会」のアイシングクッキー認定講師の資格を取得。


仕事をさらに展開していこうと弾んだ矢先、充実を超えて忙しい日々に過労で体調を崩し入院してしまった。


受注をキャンセルし、その心苦しさと猛省のなかで、仕事の取り組み方やバランス、自分の想いとじっくり向き合う大きな転換期となったという。

 

 「そんな折、『お教室をしてみたら?』と助言をくださった方がいて。人に教えるだなんて。と首を振る私に、『誰でも最初はやったことがないのだし、場数を踏んだら良いのよ。』と背中を押されたことを今でも鮮明に覚えています。」



そして2015年、アイシングクッキーの教室をオープン。教室は好評で、市外の方も多く訪れた。

 

その後、コロナで対面レッスンができない間も、楽しく学べるよう、オンラインレッスンを組み立てたり、ブランディング力を上げるための学びと実践に力を入れた。


 「以前、『現状維持は後退の始まり』という松下幸之助氏の名言を引用したスピーチを聞いて、衝撃を受けて以来、私はずっと奮い立たされているのかもしれません。」と、ストイックさを微塵も見せない麻紀子さんの気っぷの良さが、とても印象に残った。




 昨年の1月、彼女が温めていた新たなレッスン「100種のお菓子」が、スタート。月に3回のペースを3年かけてコンプリートするもので、季節に応じたスイーツ作りをコツコツ、長く楽しみたい方向けのレッスンだ。


休んでも動画付きのテキストを用意しているので、ポイントを取りこぼしなく初心者でも安心して学べるそう。

 

 「レッスン後、帰宅した子どもに、〈今日もお母さん、めっちゃ笑ってたやろ。〉と言われるんです。だって、楽しいんだもん。って。お生徒さんと楽しみながら、培ってきたものを還元していきたいですから。」と。

ミモザをテーマにしたアイシングクッキー。食べるのがもったいなくなってしまいそう…。でも作ってみたい気持ちをくすぐる可愛さ。センスが溢れ出ている。



 〈プティフール〉は、フランス語で〈小さな窯〉という意味から、一口サイズの小さなお菓子のことを指す。その名の通り、心ときめく小さな瞬間が詰まったレッスンを麻紀子さんは目指している。


元パティシエールが教えるやさしくかわいいお菓子たち。


きっかけは〈食べたいな〉と思ったり

〈大切な人に食べてほしい〉と思ったり。


レッスンを通して

作ることを楽しんだり、


自分の手で形にできた喜びも届けたい。

ほころぶ顔と、美味しい時間を共有しながら。


(取材・撮影/川島沙織)



レース状の細かなあしらいが、ただただ圧巻!の作品は、一般社団法人 日本サロネーゼ協会主催・JSAアイシングクッキーチャリティーコンテスト「Squires Kitchen 賞・平面部門」を受賞(2019年)した。  作品名:「感謝 ~To my dear husband~」(写真協力:北野麻紀子様)




PetitFour(プティフール)

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滋賀*高島【お菓子教室&アイシングクッキー教室 プティフール】北野麻紀子

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