Go for it! #22 あさみ英語教室・代表 薬師川阿佐美(やくしがわあさみ)さん
「家でもない、学校でもない居場所のひとつにしようと。」
そう話すのは、小学生を対象にした「あさみ英語教室」の代表・薬師川阿佐美さん(高島市今津町)。
女生徒が多く、レッスン前の教室は、オシャレや学校での出来事などの話題で弾み、賑やか。親なら注意したくなることも、始まれば切り替えてくれる。
自己表現しやすい自由な場だと、子どもは個々に持つ素晴らしい力を発揮し、子どもたちが〈凄いやん!〉と認め合う場面に出会うという。阿佐美さんはそれを見守りたい、と。
子どもの頃、物静かだった阿佐美さん。2歳の時に友達づくりも兼ね、母親に連れられて英語教室へ。楽しかったが、自らが積極的に英語を声に出せるようになったのは5年生になってからだった。
その後、外国語大学進学後はスキルを活かし、講師業などに従事。茶華道が好きで長く嗜んでいたため、仕事先の要望に応じ英語でレクチャーすることも。
「小学生の姪に英語を教えることになると、姪の友達や近所の子に教えるようになったのが、あさみ英語教室の始まりでした。」
レッスンでは『B.B.カード』をメインに使用。トランプゲーム感覚で遊びながら、英語を発音するためのルールや基礎構文を自然に身につけられるよう行っている。
生徒に購入してもらうのは、B.B.カードのみ。そのため、どのタイミングからでも始められる気軽さが○。
レッスンも、単語の反復練習ではなく話すトレーニングに重きが置かれる。正解のない問いを子どもたちにするため、自分の考えや想いを引き出す練習にもなっているという。英語を始めるなら照れて話しにくくなる前の低学年からがおすすめだそう。あさみ英語教室では無料お試しレッスンの期間が1ヶ月あり。
「生徒と作ったオリジナルのB.B.カードはわたしの宝物です。」と阿佐美さん。
伸びやかに過ごせるこの時期を満喫して欲しいと思いながら。週一の講師として何ができるだろう。自身が良かったと思う学習法も織り交ぜ、試行を重ねた。
ネイティブの知人からのすすめで取り入れた絵本は、韻を踏みながらリズミカルなテンポで親しめる。
「かつて、私の弟も日常的にネイティブ会話のテープを聞いていて。同じ学習環境でしたが、彼はさほど得意ではなくて。興味関心の有無、学習方法がマッチしているかだと実感しました。」
以前、パフォーマンス維持と経営面のバランスに悩み、次女の出産育児を機に教室を畳もうと閉めていた時期もあったが、ある日、長女から英語を教えて欲しいと言われ、4年前に再開。
「当の娘は、身が入らないことも多々ありますが、教室の説得力を持たせるために勉強を押し付けることはありません。」
物事への向き合い方はそれぞれで、人生の歩み方もまた然り。自身もやりたいことと、するべきことの模索を続ける時期を長く過ごしてきた、と振り返る。
現在、高島市地域通訳案内士としても活動する阿佐美さん。地域の協力者と、高島の魅力を伝える架け橋としてガイドを行っている。
言葉を超え、異国の人と地域の人が心で繋がる瞬間に立ち会ったり、上司から求められるスキルに苦戦しながら。
ガイドの数だけ学びがあって、その度に阿佐美さんの心に火が灯る。
それをレッスンで子ども達に還元していきたい。
と、はにかんだ。
(取材・撮影/川島沙織)
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