Go for it! #09 wacca運営 田中可奈子さん
地域ローカルメディアの「たかしまじかん」。その発信拠点と、市内初のコワーキングとコミュニティスペースとして2020年9月にオープンした「wacca」(新旭町深溝)。
その運営者・田中可奈子さんを訪ねた。
コワーキングとは、事務所、打ち合わせ等の場を共有する共働スタイルのこと。
納屋を改装した開放的なスペースは、150インチのスクリーン、一枚板で設えたテーブルやソファセットなどが充実。イベント会場としても使えるのも魅力だ。
可奈子さんは2014年に東京から、ご主人の地元の新旭町へ一家で転居。当初は土地勘もなく知り合いもいないため、乳幼児の子育て期に欲しい情報がうまく探せず戸惑ったという。
やがて人と繋がることで情報を得られるようになったが、当時は発信自体が少なく、探している情報を得られないというループがあったと振り返る。
子育ての傍ら、web関連の仕事に従事していた可奈子さんは、『知ることで楽しい日常を・伝わることで新しい出会いにつなげたい。』という想いから、個人で「たかしまじかん」を立ち上げる。
取材活動は知人の少ない状態からのスタートで、地道に育んだ5年間。今では市内のお店検索として多くのユーザーに重宝され、取材協力店や知人から、おすすめのお店を紹介してもらうことも増えた。
「近頃は市内の情報を知りたい方や、高島への移住を検討している方がwaccaを訪れて下さることも増えました。」と可奈子さん。
取材を通して出会うお店、人。高島を選んで移住した人たちの生き方、暮らし方。
それらに触れた経験から、歯痒さを感じたことも。それと同時に、彼らの魅力が伝われば高島はもっと楽しく元気になると確信した。
「だからこそ、発信力を高めることが大事だと思うのです。」
2021年9月、waccaをオープンして1年。彼女は決意新たにPRに困っている事業者へのサポートをいきたい、と話す。
また、可奈子さんは高島のフリーペーパー創刊に向けて動き出した。コンセプトは、『繋がる』『行動する』『カタチにする』。
そして、読み手と作り手から愛され、手元に長く置いてもらえる紙面と、継続して情報を届ける仕組みづくりを目指す。
高島を盛り上げたいあらゆる人たちと一緒に、わくわくを共有しながら取り組むプロジェクトとなりそうだ。
SNSが多様化する現在、個々の表現と発信はより手軽なものとなった。知りたいことを人を介さず自己完結できる便利さの一方、人との繋がりや共有する機会は減っていく。情報過多とも言える今こそ、新たな風が必要なのかもしれない。
これからどんなスペースになっていくのか。未知の可能性を秘めている「wacca」。たかしまじかんという地域密着のプラットフォームに加えて、新たな形のインフラとなる予感。
その場所は発信の中心地となり、縁を繋ぐ架け橋となり。知りたい人、見つけたい人、何かをしたい人にとって良きご縁と循環の場となるのではないだろうか。
(取材・撮影/ 川島沙織)
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