Go for it! #07 パン&ケーキ・カフェ Famille(ふぁみーゆ)パティシエ 村田静香さん
ある日は節目を分かち合い、時には門出を祝い、時には心を添えて。なんでもない日だって「美味しい」を楽しむ。スイーツの魅力は、そんなシーンの幅広さにある。
安心素材を使い、甘さ控えめで身体に優しい手作りパンとケーキが楽しめるカフェ「Famille」(安曇川町四津川)。
田園風景広がる場所にあるお店で、体に優しいロースイーツの制作担当の村田静香さん。パンと焼き菓子担当の母親の鈴木和枝さんと二人三脚で営み今年で8年。
カウンター席
店内にはヒカリさんのケチャップをはじめ、こだわりの自然派調味料や乾物が並ぶ。
ケーキを作っていく中で静香さんの「食」に対する想いは育まれ、今では素材や調理法によって美味しさとからだ想いを実現しているお店の一つとなっている。
ふぁみーゆさんのRAWスイーツ(2020年3月撮影)
ロースイーツとは、「RAW=生」を意味するローフードから生まれたもので、食材は体に優しいだけではなく、環境へ配慮しているものを使用。加熱を48度以下にとどめることでより多くの栄養や酵素を摂ることがテーマとなっている。
また、小麦粉、卵、白砂糖、乳製品不使用でアレルギーなど食事制限がある人や食事から健康になりたい人から支持され定着したジャンル。
「小学生の頃、クリスマスで母と作ったパウンドケーキがお友達から喜ばれて。高校生のころには漠然とですがお店を持ちたいという想いもありました。」と静香さん。
高校を卒業後に地元を離れ、専門学校での学びを終えると洋菓子店に就職し腕を振った。
早朝に出勤し、日付を超える前に帰ることができたら運が良い。そんな多忙な日々も、中学生の頃の厳しい部活を思えば大抵の苦労は乗り越えられたと振り返る。
しかし、そんな日々を過ごすうちに食事がおろそかになることも増え、体調にも影響が出るように。
「人を笑顔にしたくてパティシエになったのに。」周りの人を心配させている状況に、やがて自問し始めた。
「ゆくゆくは一緒に店をと考えていた母から、カフェをするのでこちらへ帰ってきてほしいと連絡が来まして。」
それから母親とカフェを営み、素材にもこだわり、からだ想いのものを作ろう。次第にローケーキ作りにも精を出し始めた。
最初はお豆腐クリームから。味もあっさりしたものからコクを楽しめるものまで、バリエーションも徐々に増やしていった。どんな方でも喜んでもらえるシーンを思い描きながら。
「ローケーキをご家庭で作る場合、温度管理など技術面でハードルが高いことも多いです。ご家族でより気軽に楽しんでいただけたら。」と静香さん。 現在は子育て中ということもあり、寝かしつけたあとの時間や、おんぶしながらスイーツ作りに励んでいるそうだ。
季節のRawケーキ「Raw有機金柑レモン」 (写真奥)カシューナッツベースの自家有機栽培金柑と有機栽培レモンのrawムース。金柑を丸ごと入れるので甘みが濃く、さっぱりしたレモンのムースが爽やかで夏は人気の商品。「抹茶きな粉のケーキ」 (写真手前)カシューナッツクリームの抹茶ときな粉のケーキ自家製あんこをサンド、米粉の生地はもっちり優しい甘さ、抹茶、きな粉、あんこ、米粉の「和」なスイーツが楽しめる。
みんなで一緒に食べることができる垣根のないスイーツの作り手として、母として、大切に日々を重ねている。いずれはデコレーションの難しい技巧にも挑戦し、より華やかなロースイーツにも挑戦していきたい、と話す。
「何事も始めるなら今が一番若く、今の自分にできることを充実させていきたいです。」と、朗らかで優しい眼差しをしながら教えてくれた。
地道でいて気負わず軽やかな信条。そんな彼女が創り出すからだ想いのロースイーツは、店内をたおやかに彩っている。
(取材・撮影/川島沙織)
パン&ケーキ・カフェ
Famille(ふぁみーゆ)
高島市安曇川町四津川642番地
0740-34-0324
定休日:月・火・不定休あり
営業時間:10:00-18:00
素材の味が楽しめる甘酒バーや酒粕のクラッカーなども人気。
パンや、焼き菓子も卵や乳製品不使用。すべて国産小麦や高島さんの米粉。油分は菜種亜油。
ふぁみーゆの店舗外観
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