now and... #04 福祉訪問美容 きれいや 山田京子さん


福祉美容師という資格をご存知だろうか。外出が困難な高齢者、産前産後の女性、障がいをお持ちの方、またはそのご家族などを対象に訪問美容を提供できる国家資格を持つ美容師のことである。

理容院や美容院へ行けない方のために病院やご自宅に訪問してカットやシャンプー、パーマ、ヘアカラーなどができる。



2010年に高島への移住を機に、早朝勤務となる婚礼から退いて子育てをしながら美容師としてサロン勤務をしていた山田京子さん。


移住から2年後の2012年、訪問美容師という仕事があることを知り、資格を取得。当時はまだ高島市でも認知度が低いものだったそうで始めてから今年で8年。市内を中心に、介護施設や市内外の個人のお宅への施術を行っている。


また、今年は新型コロナによる活動数も少なかったが2ヶ月に1回、山田さんと有志2人による「IYASHI隊」が定期訪問を行い、介護施設利用者の方々にヘアアレンジ、メイク、マッサージとメンバーのそれぞれのスキルを活かし施術をするボランティア活動もしている。


仕事柄、自宅介護のお客が施設に入所すると、出入りしている施設でない場合はそれでお別れとなってしまうこともしばしば。お客に寄り添い丁寧に施術することはサロン時代から変わらないが、出会いと別れに寄せる想いは少し変わった。


サロン時代、婚礼で花嫁を美しく送り出すことも素晴らしい仕事だったけれど特別な技術やスタイルの提案よりも、「いつまでも、どのような方でも当たり前に綺麗を提供すること」がしたい。福祉美容師として訪問を重ねるごとにその実感が確信へと変わっていったという。


2016年、福祉訪問美容は自閉症や発達障害などで外出が困難な方や、産前産後の女性も対象が拡充されたが、まだ認知は低く、利用者やその家族による「もっと早く知りたかった」という声も多いのが実情だ。


訪問先で使用しているリクライニングチェアと洗髪に使う手製のシャンプーボウル。


髪を整え、足取り軽くお店を出るお客を見送ることの延長線にある今。いつまでもお客様の“きれい”に寄り添いたい。歳を重ねても、どのような状況でも“きれい”を諦めないで欲しいという京子さんの強い想いと矜恃。


ご本人も鏡を見てニッコリ。ご家族からも「スッキリしたね」と喜んでもらえる。今までもこれからもキレイを楽しみ、また笑顔に。自宅の安心した空間で施術することは、本人だけでなくご家族の負担も軽くなるので福祉訪問美容というサービスの存在を知って頂けたらと話す。


(取材:川島沙織)




訪問美容 きれいや

山田京子

電話 0740-36-1336

ホームページ https://kireiya-takashima.wixsite.com/kireiya-takashima

対応エリア:高島市全域・大津市北部

定休:土・日 曜日(応相談)

2020年12月30日(水)〜2021年1月3日(日)までの間は年末年始休業


対象:

●ご自宅で療養生活されている方

●病気や障害、認知症などにより、ご自身で理・美容室へ出向けない方

●医療機関へ入院、老人施設へ入居されている方

●その他、法律で出張美容業務が認められている環境におられる方




0コメント

  • 1000 / 1000