Go for it! #17 Lily ULU(リリィ ウル)和蝋燭絵付 波多野聡子さん(はたのさとこ)

和ろうそくのともし火から、ほのかに照らされる美しいあしらい。

若い世代の人にも和ろうそくを楽しんでもらえたら。そう話すのは、伝統工芸品の 和ろうそくに独自のデザインで絵付けをしている「Lily ULU(リリィ ウル)」の波多野聡子さん。


大人向けのテイストは聡子さんが担当し、若者向けのポップなデザインは娘のゆりなさんが図案を起こし、聡子さんが描いている。幅広い年齢層が手に取れるよう、様々なテイストで描かれている。


パステルカラーも取り入れた蝋燭本体にチューリップの絵付け。
「米ぬかまめろうそくシリーズ」は、オリジナルキャラクターの犬のSEAちゃんや、バースデー、クリスマス、バレンタインなど各種シーズンもののデザインも。(サイズ : 4.5cm 燃焼時間 : 約15分 2本入り 各¥1,100税込)


 「屋号のリリィは娘の名前から、ウルとはハワイ語で、成長という意味。ちょっとずつ成長していこうという願いを込めて娘が考えてくれました。」

和ろうそくはハゼや米糠など、植物性の素材から作られる。蝋の垂れや油煙が少ないのが特徴で、仏具を汚しにくいことから主に仏事や伝統行事などに用いられてきた。しかし、近年では環境にも優しく、炎のゆらめきが心地よいと見直され、インテリアとしても親しまれるように。



 「ネイルの資格を持っているし、筆の扱いは得意でしょ。と娘から勧めもあり、絵付け仕事をいただいています。当初は他業種の事業所のスタッフとして働きながら制作していましたが、今は絵付けの仕事がメインに。」



中学校卒業と同時に家を出されると、独力で自立の道を歩むという、波瀾万丈な人生経験を積んできた聡子さん。


 「どこででも生きていく自信はありますね。子どもの頃に、祖母から戦時中の頃の話を聞いていたせいですかね。いろいろとありましたが、私自身は割と大丈夫と思ってきました。」とさらりと笑う。

生きるために、今の自分にできることに向き合ってきた聡子さん。柔軟でいながら力強い。


聡子さんには小学生の次男と、成人し家を出て、自立に向け歩んでいる長男長女の3人の子どもがいる。離婚を機に、大阪から高島へ移住してきたが、コロナ禍となったここ数年は、学校の休校など取り巻く環境の変化もあり、次男は学校から足が遠ざかっていった。

今は市内のフリースクールにその学びの場を代えて、楽しく通っているという。


思い切ったと思われるかもしれない。けれど、人の評価や一般論よりも自分は何を大切にして、どうしたいか。その視点を大切に生きてきた聡子さんは、子どもたちにも自分を偽らない生き方をしていほしいと話した。


「松竹梅」(サイズ : 7.5cm 燃焼時間 : 約60分 5本入り¥3,000税込)


 「スタンダードな蓮や松竹梅から、ゆるキャラ的なイラストまで。なんでも描きます。」

わずか数センチのキャンバス。

豪快な人柄を思わせる、その人の指先から描かれるのは温かく繊細な筆致。



ある日、市内の店がオーダーしたのはセレモニー用の和ろうそく。オーナは、イメージにぴったりな仕上がりにとても満足し、今後も色々なデザインに期待を寄せていると話す。


 「娘はしっかり図案を起こしてくれますが、わたしは娘のようなデザイン力がないので、脳内でイメージした図案をもとに描いています。」

一本一本、手描き。


制作のタイプが異なる母娘。そんな2人の共同制作の和ろうそくは、バリエーションに富んでいて、見ていて楽しくなる仕上がり。


迷いなく。照らされても、陰っていても。ゆらめく炎の下は凛と佇み、揺るがない。


私は私、あなたはあなたで良い。そっと背中を押すような。

(取材・撮影/川島沙織)

「桜」(サイズ : 7.5cm 燃焼時間 : 約60分 2本入り¥1,500税込)
「ゆり」(サイズ : 7.5cm 燃焼時間 : 約60分 2本入り¥1,500税込)


こちらの和ろうそくは、「高島市働く女性の家」にて現物を4月から展示中です。




LIly ULU (リリィウル)

\子ども会などへの絵付WSも応相談/

インスタグラム:@lily.ulu 

creema(通販サイト):https://www.creema.jp/c/lilyulu_official/item/onsale



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