たかしまを彩る人 color.14 NPO法人高島倶楽部 TWINKLE STARS(トゥインクルスターズ)コーチ 福島美奈さん

 〈チアリーディングで高島を元気に!〉と、2010年に発足した「NPO法人高島倶楽部トゥインクスルターズ」は、市内各所で行われるイベントに華を添え、盛り上げているチーム。

現在、子どもから大人まで81名が在籍し、練習に励んでいる。



 2021年12月、ダンス披露を兼ねたクリスマス会と、2022年6月、関西一を決定する「関西チアリーディング選手権大会」の前日練習に伺った。


練習場となっている安曇川総合体育館で、出場予定の小学生A・Bチーム、高校生チーム、マスターズチームが最終調整。


チーム名を呼ばれると、子ども達は駆け出し隊形を作る。一瞬の静寂の後、「はい!」と一人が挙手すると音楽がスタート。


選手権大会前日。最終調整を重ねる。コロナ禍によって限られた練習環境が続いたが、三密回避などを考慮し暫定的に創設された部門「チアフルダンス演技競技」や「チアリーディングスピリッツ演技競技」に意識を向けて励む。



曲に合わせ、生き生きとした表情で全身を使って踊る子どもたち。バック転などの技をシンクロさせる「タンブリング」は圧巻。



チアリーディングは、アメリカで約100年前に発祥。アメリカンフットボールや野球などの競技を応援することから始まったという。その応援は、選手へ、観客へ。その場を共にする全てに捧げられる。


現在は競技人口も増え、各種競技会も盛んとなり、いかに観客を魅了できるか、引き付けることができるかを競う「表現のスポーツ」となっている。


競技会の採点項目は、元気さ、笑顔、技の正確性、完成度、難易度、連続性、スピード感、同調性など細かく決められている。(※参考:公益社団法人日本チアリーディング協会公式HP)


また、この数年間は評価対象を絞り、三密回避を考慮した競技部門を暫定的に導入しているが、例年は「スタンツ」と呼ばれる組体操のようなダイナミックな演技も。その花形的パフォーマンスを披露する日を楽しみにしている子どもたち。


 「教えていて嬉しかったことは、様々な成長を見られること。おとなしかった子が、活発になったり、チームを卒業してしばらく経つのに、その音楽を聴けば踊ることができたり。学業と部活の合間を縫って練習の手伝いに来てくれることも。」と顔をほころばせた。


技能の上達だけでなく、様々な形で彼女たちの頑張りを知ることは、指導者冥利に尽きるのではないだろうか。


コーチの業務は技術的指導だけではなく、イメージに合う選曲と振り付けも考えたり裏方部分も多い。

 「ダンスは8拍子を一区切りとするため、原曲のまま使えないことが多くて。尺の調整作業が必須に。合間に入れる効果音も必要なので、編集をもう一人のコーチが担当してくれています。この作業は一人ではとても。」と苦笑する。


始めた当初は、30代で育児のさなか。本業と子育て、チアのコーチとして駆け抜けた日々で、自身の子どもを含め、家族の理解と協力が欠かせなかった。その年月には並大抵ではない努力と人生の機微と。幾重にも積み重ねられている。


 「地域の力になれば。と発足して12年。保護者がサポートしてくださったり、本業ともに忙しいながらもコーチを引き受けてくれたり、周りの方に助けられています。」と美奈さん。



 子どもの頃から身体を動かすことが好きだった彼女。高校ではスキー部。クロスカントリーでインターハイ、国体に出場。近畿の中では1位となるほどの実力を持つ。


専門学生の頃、エアロビクスに出会ってから、プロダンサーを見据えて様々な大会へ出場。これまでに出場した大会では西日本6位、その他協賛の賞も数多く受賞したという。


 「仕事として成り立ったのは、エアロビクスのインストラクターでした。」と話す。


プロデビューへの道は険しく諦めたものの、好きが高じて気が付けば30年。


当時の勤め先のホテルのスポーツクラブから実績を買われて、エアロビクスのインストラクターとして研鑽(けんさん)を重ね、フリーに。


それまでの間、自身もチアリーディングチームに所属し、チアリーダーとしても、日本全国のたくさんの人々の応援をしてきた美奈さん。


 「現在、エアロビクス教室で長らく参加されている男性が、81歳と知り驚いたのですが、そのクラスには4人も同年齢がいらっしゃって。みなさん元気で続けてらっしゃることに感動しました。継続は力なりと励まされましたね。」

いつ・どこででも学び、得るものがある。

この数年は、自粛やイベント中止が相次ぎ、子どもたちが披露する場が激減。同時に子ども達の安全も考慮しながらの練習だったけれど、その状況に折れることなく、いつかイベントに呼ばれる日まで。そしていつでも行けるように、ひたむきに練習を重ねている。


 「私の話ではなく、ぜひとも子ども達に取材してやってください。」と、取材中に何度も口にする。

生徒の成長と頑張りを様々な人に見てほしいという親心。教え子の成長を目を細めて語る美奈さん。


 「自分が通ってきた道だから分かることがあって。教える身として心がけていることは常に自分がご機嫌でいること。そうすれば伝搬して、みんなご機嫌になると思っています。これまで自身が培ったことや教えてもらったことを循環させていきたいです。」と話す。

何をしたかより、どのように生きるか。それが大事なことなのかもしれない。


 「ここで培ったことを生かしたり、進学後も続けてくれたら嬉しいですね。いつの日か、世界大会も。」と、指導者としての夢を吐露する。

チア(cheer)とは励まし・歓呼・元気づける、といった意味。体現し続ける彼女たちの姿は見る者を引き付け、心を熱くする。


トゥインクルスターズ=キラキラした星たち。

練習場では、チームが掲げる「元気と勇気と笑顔」を大切に、みんなそれぞれが輝いていた。


「クリスマスお楽しみ会」(2021年12月)のダンス披露のようす。披露の場が減っていたため貴重な機会に。子どもたちも、見学の保護者も楽しい時間を過ごした。
例年は、今津サンブリッジホテルでの食事を兼ねたお楽しみ会をしていたそう。かつて働いていた老舗料亭で学んだ経験を生かし、子ども達に礼儀作法の大切さも伝えられたらと企画していたのだとか。教えられることは惜しみなく、できることを工夫しながらされている。
「関西チアリーディング選手権大会」にて
幼児クラス、小学クラス、中学・高校クラスのほか、マスターズクラスという年齢不問のチームも。付き添いの保護者が子どもたちの姿に触発されて私たちも楽しもう!とできたのだそう。




NPO法人高島倶楽部 トゥインクルスターズ


毎週火曜・木曜日18:00~21:00 

安曇川総合体育館2F

連絡先:090-1483-5168(福島)

見学は随時OK!興味のある方はお問い合わせを。

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