Go for it! #06 SPACE まある(真楽菓)真栄田栄子さん


 高島市勝野にある週末おむすび屋「白湖(はこ)」。 レンタルスペースや、人と食をつなぐ橋渡しの場として活用が多いお店として人気店だ。こちらの出店者でビーガン・グルテンフリーを生かした「発酵パフェ」を提供する真楽菓(まらっか)の真栄田栄子さん。 

法定アレルゲン28品目不使用のお米のヨーグルトをメインに和食材を楽しめる発酵パフェ(1,500円・税込)。ミニサイズ(800円・税込)もあり。


  この発酵パフェのほとんどが高島産。志ある農家や生産者から仕入れた植物性食材を使用。消化吸収の働きを助ける甘酒や塩麹を使ったものをふんだんに使っている。




メインには、アトピー体質の彼女が惚れ込んだというお米のヨーグルトを使用。高島の企業で製造され、乳製品アレルギーを持つ方や、健康意識の高い人から、腸内環境に良いと信頼を寄せられる商品だそう。

真栄田さんが出店先として利用している「白湖」(滋賀県高島市勝野1229)



人気の米粉ドーナツ(200円・税込〜)。ふっくら優しい味となっている。


  以前から、体に優しい食事の提供や手軽に家庭で取り入れられるレシピを料理教室で伝えている真栄田さん。


  「子どもの頃から食に興味があり、料理好きな母の手伝いをよくしていました。高校生の頃、アトピーを機に食や栄養の勉強を始めました。」と話す。


 大学進学を機に、地元長崎を離れ一人暮らしをするようになると、食と体の繋がりを感じることが増え、体に良い食事作りを楽しむように。 結婚、出産を経て2013年、アレルギーの有無や世代問わず、みんな一緒に食べられるおやつを提供したいとシェアカフェに出店。


  「ちょうどその頃に、加熱せずに素材の力を生かしたロースイーツに出会いました。その香り豊かなチョコケーキの、あまりの美味しさに感動と衝撃を受けました。」


  当時、ビーガンなどの菜食料理といえば、素朴な見た目の印象がほとんど。魅力を伝える前に感じる歯痒さは、その控えめな彩りにも起因する。 しかし、そのイメージを覆すようなロースイーツの美味しさと、芸術的な食材の生かし方は、彼女にとって食を創造し、表現を楽しむ可能性を見出していく。


彼女は子育ての傍ら、家族の協力を得てローフードマイスターとローフードパティシエの資格を取得。 2015年にビーガン・グルテンフリー の菓子工房&カフェをオープンし、関西各地のオーガニックマーケットにも出店。 


 2年後、お店経営から料理教室にシフトし、食にこだわる店での料理教室の開催を経て、2019年に京都から高島へ移り住む。 高島の豊かな里山と、発酵食文化に魅せられ移住した1年目は、この地で何をしていこうと向き合った。2年目の今春、彼女は新たな展開を迎える。



  地元の方は高島には何もないと思いがち。でも、何でもある。「食」だけでなく豊かな高島の暮らし方も描き、発信していくことができたら。そんな新たな想いとともに、自宅兼宿泊施設として農家民宿「SPACEまある」(高島市勝野)は、2021年4月より本格スタート。


 「高島の夏の夜は格別。目の前に広がる星の瞬き。素晴らしいロケーションです。ぜひとも堪能して頂きたいです。」と真栄田さん。琵琶湖へのアクセスも良く、田園に囲まれるこの場所でワーケーションの受け入れ、ロースイーツや発酵料理教室、自然農を営む農園と提携した農業体験。訪れる人が身も心もゆったり過ごせるプランを提供予定。


 また、既存のエネルギーに頼りきりにせず、薪やコンポストトイレなど、循環型の自立したインフラ作りも積極的に取り入れていくそう。


  かつて、自然の循環に寄り添いながら人の暮らしは営まれてきた。それを再現していきながら、大事なモノやコトを思い出す温故知新。現代人の寺子屋のような場となりそうだ。 

(取材・撮影/川島沙織)





SPACE まある(スペースまある) ・ 真楽菓(まらっか)

真栄田 栄子さん

tel.090 1906 0171 

[SPACEまある] spacemar71@aol.com

[真楽菓] kitchenmaracca@gmail.com

0コメント

  • 1000 / 1000